質問:お経にはその名前の最後に「~ダラニ」と呼ばれるものがありますが、どういう意味ですか?
A:一言でいうと「呪文」みたいなものです。詳細は以下のとおりです。
お経にはその使われている漢字やその組み合わせから意味を解読し学ぶものがあります。
これに対して、文字の意味合いを理解していくことよりも、
その「音」を口に出して唱えることが大事とされる、言い換えれば「呪文」のようなお経を「ダラニ」と呼んでいます。
漢字で書くと「陀羅尼」です。
これも漢字の意味で理解するものではなくサンスクリット語の「ダーラーニー」の音を漢字に置き換えたものだと思って頂ければ良いかと思います。
さて、この「ダラニ」を漢字の意味を考えて書き換えると「総持」「能持」「能遮」となるそうです。
「総持」「能持」は「すべてを持つ」「すべてを覚える」という意味で、
「能遮」とは「(雑念など)無駄なものを取り払う」という意味です。
まさに「ダラニ」は「雑念を一切捨て、ひたすらに唱える」ということを意味しています。
言葉(音)自体に意味があり、その意味を頭で理解するよりも何度も唱えることが大事であるとしています。
「ダラニ」ですが、大まかな意味合いとしては菩薩や如来を敬い奉る内容のものが多いようです。
例えば曹洞宗で唱えることが多い「大悲心陀羅尼(だいひしんだらに)」は
「千手千眼観世音菩薩広大円満無礙大悲心陀羅尼経」に含まれる「千手観音」の「ダラニ」になります。
ちなみにこの「大悲心陀羅尼」は元々「青頸陀羅尼(しょうきょうだらに)」「青頸大悲心陀羅尼(しょうきょうだいひしんだらに)」とも呼ばれ、「青頸観音(しょうきょうかんのん)」の「ダラニ」だったそうです。
この「青頸観音」は「ハリハラ」というインド神話の合体神です。
右半身が「シヴァ(破壊の神)」で左半身が「ヴィシュヌ」という共にヒンドゥー教の神様です。
ここで「何故仏教の話にヒンドゥー教が入ってくるのか」と思われた方もみえると思います。
いつかまた調べて、ご連絡しますね。